1ヶ月間の教室の居残り掃除っていうけれど、厳しいカサエル先生のことだから倍の2ヶ月なんてこともありえる。
「それは嫌だなぁ。じゃあもう今回で寮を抜け出してルキにこっそり会うことはやめる。だからエイミー、これで最後だから今夜もなんとかエリノア寮長を誤魔化してくれないっ?」
「えぇーっ、嫌だよそんなの‼私まで共犯になっちゃうじゃん、居残り掃除なんか絶対に御免だよ」
「そこをなんとか……お願いだよ、エイミー。本当に最後にするから」
私がむりやりお願いしたことだから、と先生にエイミーは無実だと泣きながら訴えると約束をし、どうにかエイミーの協力を得ることができた。
それからの時間はやけに遅く感じた。
1階の食堂で夕飯にしているときも、大浴場で汗を流しているときも、部屋に戻り魔法の勉強に励んでいるときも。
今夜ルキに会えると思ったらやたらと時計ばかりを気にしてしまって、まだ5分しか経ってない、と落胆を繰り返し。
そんなことばかりをしてしまうから、エイミーに「ソワソワしすぎ」とうざがられてしまったり。
「だって早く会いたいんだもん」
そう恥ずかしげもなく口にしてしまった私は、もうどうしようもないくらいにルキのことを好きになってしまっている。
それはルキが私に恋愛感情がなかったとしても、簡単には消し去ることのできない強い気持ち。
大好きだって叫んで、叫んで、その胸にぎゅっと飛び込んでしまいたいくらいに、想いが溢れて止められない。


