ついでにルキが私に向けて言った『守ってあげたい』の真意も聞いてみたい。

エイミーが言うように、私のことを世話のやける妹のように思っているのかもしれないし、フォルスティア学園に通えるようになった恩や、記憶が戻る手助けをしている恩を感じてそう言ったのかもしれないのだから。



もしルキに『恋愛感情があるわけじゃない』ってはっきり言われてしまったら…。

そのとき私はきっと、ルキの前だというのに声を上げて泣いてしまうかも。



冷たい涙が頬を伝って伝って、止まらなくなってしまうかも。



「……って、なんだか頭が冷たい??」



頭頂部にぽつり、と滴が落ちたように感じてもしかして雨漏り?と眉をひそめて上へ向いた。



「え……コップ?」



すると視界に飛び込んできたのは、宙にふわふわと浮かんでいる水の入ったグラスだ。

ちょうど私の頭の上で浮かんでいるグラスは、斜めに傾いていて今にも水が溢れ落ちそうだ。



なんでこんなところに水の入ったグラスが?

なんていう疑問は、後ろから聞こえてきたライザの笑い声によって答えを知ることができた。



しまった、早く逃げないとグラスに入った水を頭からかけられる!



「ぶふぅぅっ……‼」



と思ったところで宙に浮かんだままグラスがさらに斜めに傾き、中に入っていた水を顔面から浴びてしまった。