「おいっ、いいのかよ転校生…‼このまま続けると、お前がつくった壁は今に壊れるぞっ…。降参するなら今のうちだ!」



壁が壊れたらお前は丸焦げだな。

ライザのそんな煽りにもルキは何も言い返すことはなく、苦しそうに眉を寄せたままじっと前を向いている。

そうしている間にも、縦に20センチほど入っていたヒビが、30センチ、40センチとじわじわ広がっていく。



「これは勝負あったわね」



後ろの方から聞こえてきたサビーナの声に、クラスメイトの男子たちも口々に反応を示す。



「やっぱりライザの勝ちかぁ。ほんっとにすごいよなぁ」

「じゃあ転校生が実技試験で1番だったのって、ただのまぐれだったんだな」

「つーか、マジであの転校生大丈夫か?そろそろ降参しなきゃヤバイよな」



ライザやクラスメイトの言うとおり……本当にもう、これ以上の攻撃を受け続けると壁は壊れる。

壁が壊れてしまうと、ルキは稲妻をもろに浴びてしまう。



「ルキっ、これ以上はもうっ……」



これ以上はもう危険だよ、と言い終わらないうちに、言葉を被せるようにしてルキが声を発した。



「そうだね、ライザくん。これ以上の防衛はもう無理みたいだ。俺の負けだよ、降参だ」