息を切らせながら、第一実技室の扉を勢い良く開いた。
視界に真っ先に飛び込んできたのは、広い室内のど真ん中で向かい合って立っているルキとライザだ。
不穏な雰囲気のふたりの周りをぐるりと囲むようにして、トールボットやサビーナ、ローリーや、ほとんどのクラスメイトがいる。
その中にエイミーの姿だってもちろんあった。
「あっ、メイベルっ!いよいよ決闘がはじまるみたいだよっ!」
壁際でライザとルキを見ていたエイミーはぱっと振り返ると、その大きな目は好奇心に溢れきらきらと輝いていた。
「ちょっとエイミー‼ワクワクしてる場合じゃないよっ!どうにかしてふたりを止めなきゃっ」
「えー?止めなくてもいいじゃん、絶対に面白いって!」
「面白いわけないでしょ!ケガ人が出るよっ」
エイミーも、周りのクラスメイトたちもみんな楽しそうにライザとルキを眺めたりなんかしてどうかしてる。
誰も止める様子なんかなくて、トールボットなんかは「やれーっ、ライザ!」なんて、声援まで送りはじめる始末だ。
魔法がどれだけ危険なものかは、授業で嫌というほど習ったはずなのに。
そもそも、魔法を人に向けて放つことすら禁止されているのだから。
「もういいよ…。それならカサエル先生に言って止めてもらうから」
壁際でトールボットと同じように「がんばれー、ライザ!ルキくん!」と声を張り上げるエイミーに背を向け、ひとり出入り口へ向かった。


