へなちょこ魔女は、ぎんいろの瞳に恋をする



黒板の真ん前の席で、トールボットを含む男子3人に囲まれているライザ。

そして4つに合わされた机の上には、お皿に乗せられたフルーツタルトが、ライザとトールボットの間からちらりと見えた。



「相変わらずライザはすごいなぁ…」



ほんの一瞬しか見えなかったけれど、卵色のタルトの上にはスライスされたリンゴや黄桃が、綺麗に並べられていた。

誰がアレをつくったのかなんていちいち聞かなくても、絶対にライザに決まっている。



それに比べて私ときたら……。

魔法の腕を磨いてライザを見返す、なんて10年……いや、100年経っても無理そう。



「まぁ、すごいわね‼さすがマグダクトル兄妹だわ!見た目も味も、完璧に再現できているわね‼魔法でここまで素晴らしいケーキをつくれたら、あなた達はもうケーキ屋には用がなくなっちゃうわね‼」



でも今回の授業は、お菓子づくりの経験者が有利になってしまったから、次回は誰でも同じスタートラインに立てるようなお題にするわね。

とベアトリス先生が締めくくり、今日の魔法の授業もいつものようにライザとサビーナが拍手喝采を浴びるという結果に終わった。



「ルキっ……本当に第一実技室に行っちゃうの⁉」



授業が終わり、続々とクラスメイトが第二実技室から離れていく中で、まだ室内に残っていたルキに声をかけた。

何やらカーラと話していたみたいで、邪魔したらカーラに怒られるかな…と躊躇しながらも、それでも話しかけずにはいられなかった。