しょっぱいケーキを未だに完食しきれていないローリーは「サビーナなら簡単にできるんだろ?」と煽るような口調で言っている。
まぁサビーナは双子の兄のライザに続き、魔法の知識も技術もトップクラス。
カップケーキなんてきっと、ちょちょいのちょいっとつくってしまうんだろうな。
ローリーに「いいわよ」と頷き立ち上がったサビーナは、4つに寄せられた机の中央に向かって両手をひらいた。
「神より与えられし力よ我が糧となれ。その力を今解放する」
サビーナが詠唱をはじめると、私やエイミー、ローリーを纏う空気がビリビリしはじめた。
さすがライザと血を分けた兄妹だなぁ。
静電気にも似た小さな刺激が、パチパチと私の頬や額、手足に走る。
「そうね、私はカップケーキよりベイクドチーズケーキが食べたいわ。生クリームをほんの少し乗せて、ミントの葉も添えてね」
サビーナが言い終わった途端、両手の平から放たれていた黄色い光がぶわっと広がったかと思うとすぐに消えた。
「うわぁぁぁぁっ‼なにこれ、超おいしそーっ!」
エイミーが思わず歓喜の声を上げたのも納得出来るほど、そこにはお皿に乗せられた、4号ほどのホール型のベイクドチーズケーキがあった。


