ルキも一緒に呼ばれたということは、やっぱり脱走がバレてしまったんだ。

なんだ……レックスさんったらやっぱり校長先生に話したのか……。

あぁ、もう最悪。



となればお説教されることは間違いないから、校長室の扉を叩くことに二の足を踏んでしまう。



「って……ルキがもう扉をノックしちゃってるし…」



ビクビクする私をよそに、ルキは驚くほど冷静に校長室のドアをコンコンコン、と控えめに叩いていた。

こうなればもう、私は腹をくくるしかないか……。



「あら、あなたたち。思っていたよりも早く来たわね、中にお入りなさい」



ほどなくして開け放たれた扉から顔を出した校長先生は、目尻にシワを寄せて笑いかけてくれた。



「ごめんなさいね、わざわざ呼び出したりなんかして」



やっぱりいつもどおりの、優しい校長先生だ。

もしかして校長室に呼ばれた理由って、お説教じゃないの?



校長先生に言われるがまま、ルキとふたり並んで革張りの茶色のソファーに腰を沈めた。



「お話しというのは何でしょう?」



今まさに私が校長先生に聞こうとしていたことを、ルキが問いかけた。



「ルキ、あなたの身元の調査をこちらでさせてもらったんだけどね、その結果報告をって思ってね」