好きな人のはなし


 ⑫私は教室に戻り、午後の授業の準備をした。

 「で、久々のランチデートはどうだったの?」

 後ろから突然声をかけてきたのは志帆だった。

 「…邪魔入られた」

 「あっはっは!誰によ」

 志帆は馬鹿にしたように笑う。

 ってか馬鹿にしてる。

 「それよりさ、ずっと聞きたかったんだけど、水曜日って誰から聞いたの?」

 私はわざと話題を変えた。

 「あー…瞬だよ、1組のバスケ部」

 なるほど、そういう事だったんだ。



 志帆は男子とも仲いいからなぁ。情報とか早そう。



 私は他のクラスの子とか全然仲良くないや。



 ハルとか宏太とか人気者だから色んな人と繋がってるんだろうな。



 私、みんなに置いてかれてるなぁ。