好きな人のはなし



 「…その人の彼女って?」
 
 私の問いかけにハルは目を丸めた。

 「え?お前知らないの?宏太の彼女はー」

 体育研究室の扉が突然開いた。

 「佐竹、丁度よかった!お前体育委員だよな、ちょっと手伝ってくれ」

 中から出てきた体育の池田先生だった。

 「…あー、はい。琥珀、悪いけど食い終わったら教室戻って」

 …タイミング悪すぎでしょ。

 誰なの、宏太の彼女。

 一体誰なのよ…。