好きな人のはなし




  私はハルのいる廊下に出た。

 「なんか困ってる事あるんじゃない?」

 「え?…あ、昼ごはんがないです」

 私がそう言うとハルはビニール袋を差し出した。

 中にはおにぎり2つとお茶が入っている。

 「え!?なんで!?」

 「千草からメール来て、お前の昼メシがないから買ってくれって頼まれたから買ってきたんだよ」

 嘘でしょ、千草は私が弁当忘れたの気づいてたんかい!

 「ハル様、感謝します!!」

 「俺じゃなくて姉思いの可愛い妹に感謝しろよな」

 本当にいい妹を持ったもんだ!助かった!

 「…あのさ、たまには一緒に食わね?」

 ハルはニコッと笑って肩を組んできた。

 「えー無理。志帆いるし」

 「んーでも志帆ちゃん違う子たちと食べてるけど?」

 ちょっ!志帆のやつ!裏切り者!!

 …でもまぁ、たまにはいっか。