⑫「ちょ…ハルちゃん何言ってんの?」

 西野さんは少し苛立った声で喋った。

 ハル…

 なんか怒ってる?

 あ、目が怒ってるんだ。

 やっぱり私に怒ってるのかな…

 西野さんは思いきりニコッとして口を開いた。

 「今度1組の仲いい人たちでカラオケ行こうよってさっき話してたんだ!ハルちゃんも行くでしょ?」

 「え…」

 「ほら、宏太とか雄大、瞬たちも行くって言ってたし!」

 そっか…

 ハル人気者だもんね。

 仕方ないよね…。

 「…ハル、行ってきていいよ」

 私は顔を見上げハルに言った。

 ハルは驚いた顔をして私を見る。

 そんな私達を見て西野さんはクスッと笑った。

 「ほら!彼女さんもいいって言ってるわけだし!行こ!」

 ハルは下を向いた。

 「…分かった、行くよ。ただし…」

 ハルは私の手を握った。

 「琥珀も連れてく」

 え…

 何言ってんの?