⑪「お、おい…」

 ハルはつい、彼女に体を持って行かれそうになる。

 「早く行くよ!みんな待ってるんだから!」

 なにこれ…

 彼女である私の前でよくも…

 堂々と…!

 「琥珀?」

 私は西野さんからハルの手を引き離した。

 「え、なに…」

 彼女は驚いた顔をした。

 「…ないで」

 「え?」

 「私のハルに触らないで!!!」

 気づけば私は怒鳴っていた。

 シーンと静まり返った。

 あ…

 私また何言ってるんだろう…

 自分がまた嫌になる…

 ハルを困らせちゃったじゃん…

 そんな中ハルが口を開いた

 「なぁ西野、用があるならここで話して?」

 え?

 ハル?