放課後、いつものように廊下でハルを待とうとしていたけれど待つ必要なんてなくて、ハルはすぐに教室から出てきた。

 「よ、今日は早いだろ?」

 …確かに早い、いつもなら10分は待たされてたけど、今日は早い。
 けど今はそんな事に驚いてる場合ではない。

 「お前、なんか今日ブサイクだな!」

 ハルは私の顔を見て悪気もなく笑う。失礼な奴だわ。

 「そ、そりゃご指摘どうも!」

 私はハルを精一杯睨んだ。

 「何本気にしてんだよ、可愛いに決まってんじゃん」

 ハルはそう言いながら私の手を優しく微笑んで握った。急にそんな事するもんだから私はびっくりしてしまって…

 「ぶははっ!お前、顔真っ赤じゃん!」

 このざまだよ…。初めてこんな赤面したってくらいに顔が熱くなった。

 「バカ!見んな…っ」

 私が顔を片方の腕で隠すとハルは私の手をさらに強く握って突然走り出した。

 「ちょっ…ハル!?」

 「そんな顔されたら俺の理性ぶっ飛ぶっての!今すぐ俺ん家でヤろう!!」

 は!?ちょっと…馬鹿!声がでかいわ!!私達があまりにドタバタと廊下を駆け抜けるから、みんなの視線の的になってしまった…。良くも悪くもこういう所は昔から変わらないんだよな。