全然止まない雨を眺める事がつまらないなんてすぐに気づいて私は席を立った。

「私、ちょっとハルにいつ帰るか聞いてくる」

 「チッ…リア充め」

 志帆の鋭い視線が背中を刺したけど、そんな事気にせず教室を出た。

 ハルのいる1組を覗くと私のいる2組よりも賑やかで、こんな雨が降っているのになんだかみんな楽しそうだった。基本的に1組は男子も女子も仲が良くて、孤立しているような子はほとんどいない。

 そんな群衆からハルを簡単に見つる事が出来る。ハルがつるんでいる仲間は、学年の中で一際目立つグループだ。顔面偏差値がかなり高いことで他のクラスからも人気がある。そして常に数人の女子が取り巻くようにしてハルたちに群がった。

 私はなんとかしてハルに視線を送るがハルは気づいてくれない。というより、人が邪魔で私の姿を認識されていなかった。声をかけたいけれど楽しそうにするハルたちの空気を壊して悪者になるのが嫌だった。

 「…今日は一人で帰ろう」

 私は大きな独り言を呟いて、背を向け教室を後にしようとした、その時だった。