私は宏太のベッドに横になり、ケータイを取り出した。

 やはりハルからメールが来ていた。

 『家、着いた?』

 「心配性だなぁ、ハル」

 好きなんだ、そういうところ。

 私は慣れた手つきでメールを打ち送信した。

 『無事に着いたよ』

 無事に…、浮気相手の家にね。

 ごめんねハル、私はとことん汚いんだ。

 ハルの気持ち騙して、ハル以外の男の家に転がり込んで、こんなに余裕ぶった笑みをこぼしてるの、ホントありえないでしょ?

 もう気持ちが止まらず、溢れてしまいそうなの。まるで隠れんぼをしている子供みたい。見つかりそうで見つからない。あの緊張感、焦燥感。まさに、快楽だった。