「バイト、お疲れ様。じゃあ行こっか」

 私と宏太は街頭が少ない住宅街を手を繋いで歩いた。

 「ハルと会ってたろ、ハルの香水の匂いがする」
 
 「うん、私ハルの匂い好きだし」

 宏太はもちろん私とハルが付き合ってることを知っている。

 そして、宏太自身が浮気相手だということも。

 「なにそれ、何か萌える」

 宏太は、クスッと笑った。

 私達がたどり着いたのは、2階建てのアパートだった。

 2階に上がり一番奥の部屋が宏太の部屋。宏太はカギを開け、私を中に入れた。
 
 「お邪魔しまーす」

 「俺シャワー浴びてくるわ」

 そう言って、宏太は風呂場に行った。