「千早、お前は勘違いしてる。俺らと一緒に哲人の両親が住んでると思ってんだろ?」

「うん。違うの?光くん」

「ああ。俺と哲人だけで住んでる」

「分かった。私も一緒に住む」

千早がそう言った瞬間、辺りが騒がしくなった。

「あれ、定時制の市橋じゃね?」

俺の思考回路が停止した。そいつが俺の生き別れの兄貴・市橋翔だったから。