「お前らなぁ、さっきから春凪泣かせやがって。柚においては悪口ばっかだろ!最後だっていい事言ってるふうだったけど、勝手にとか!もういいから向こうで待ってろ!」

秋夜が、怒ったように2人を追い出してしまった。
パタンと扉が閉まる音がした後、
秋夜に抱きしめられた。

「どうしたの?」

そう聞くと、少し拗ねた声で
「なんでもない。」と返ってきた。

全部の音が消え、
静かな空間が私達を包んでくる。

「あのね、秋夜。」

「なんだよ」

思い切って名前を口にしてみれば、
まだ拗ねているらしいその声。