「ま、スピーチ頑張りますよ。」
「ありがとな、裕翔。」

昨日は不安がってたくせに
頼もしく笑っちゃってさ。
そういうとこが好きだったんだよ。

「ね、柚香、裕翔。」

「ん?」「なーに?」

ふたりがキョトンとした顔をしてこっちを向いてる。
これから言うこと、絶対に驚くんだろうな。

「昨日言い忘れてたんだけどさ。」

「うん?」

昨日、ふたりの空気が高校の頃とは違うってことちゃんとわかったよ。
私の気持ちも今はもう違うって事も。
全部わかったから、本当に心からのお願いをするって決めたんだ。特別な日だから。

「幸せになってね。応援してる。」