きっかけは、なんでもない事で。
マネージャーの仕事に慣れてきて、
裕翔や秋夜とも仲良くなった頃。

私の仕事はほとんど雑用だった。
まぁ、小柄で可愛い柚香と背が高い私だったから誰にどの仕事を頼むのかは当たり前に決まって。私も柚香に力仕事はさせたくないし、バレーもテーピングも詳しくない私は仕事に文句はなかった。
むしろ少しでも力になれるならどんな仕事でもいいと思ってた。

だけど、裕翔が歩いてきて
「こんなん女子の仕事じゃねーよな」と笑ってさらっと荷物を奪っていったとき。

今まで当然だと思ってやってたけど、
それでも女子扱いされたのは嬉しくて
裕翔から目が離せなくなってしまった。

「俺も手伝うわ」
と息を切らしながら走ってきてくれた秋夜も優しい人だなと改めて思った。