ツーっと、私の頬を伝う涙。
岳人先輩はその涙を拭って、困ったように笑った。
「ごめん、困らせたよね。分かってる。分かってるから。
早く、俺をフッて…」
「やだ。やだよ!
フらないよ。先輩、好きだよ。私、あの日からずっと、岳人のこと忘れたことなんてなかった!
蒼生と、付き合って、もう忘れたって思ってた。
でも、勘違いだった。
私はずっと、先輩のことが好きだったんだよ!!」