高校2年生。
後輩ができる=先輩になる!
そんな単純な気持ちで、くるくると回りながら歩く通学路。
去年の今頃は、ガッチガチに緊張して、憧れのJKデビューなんて考えていられなかったのに。
「ふんふふーん♪」
鼻歌を歌う私は、小野寺 凛(おのでら りん)
教室に入るなり、昨日初めて話した人にも挨拶する。
仲良しの莉乃と話をしていたら、担任の先生が来た。
名前は佐伯 俊(さえき しゅん)、25歳。国語科担当。
新任の先生で、背が高い。180位だった気がする。
どことなく軽めのイメージがある。
とまぁ、色々観察してたけど、悪い人じゃなかった。
授業は結構楽しいし、生徒に人気がある。
「りんりーん」
なんて呼んだりする。ノリ良すぎる。
まぁ、嫌いではない。
そんなこんなで、あっつー間に修学旅行。
5日間、莉乃やその他いろんな友達と満喫した。
でも、私がテーマパーク内で莉乃達とはぐれた。
その時、真っ先に見つけてくれたのは、佐伯先生だった。
そのあとから、バスに乗っても、家に帰っても、なんだかソワソワして、落ち着かない。
すぐに理由は分かった。
先生に恋をした。
きっかけが馬鹿みたいに単純で、でもだんだん好きになって……。
放課後、帰り支度が遅い私と玄関まで話しながら歩いてくれたり。
目が合うと笑ってくれたり。
それだけでドキドキして。
他の子とニコニコ話してると、何か嫌で。
これが
『好き』
ってことなんだろうなって、思った。
毎日すごく幸せというか、楽しくて、相手の立場なんか忘れてた。
突然だった。
教師には「転勤」がある。
佐伯先生は転勤することになった。
クラスの皆が泣いた。私は誰よりも。
皆で花束を渡したり、写真をたくさん撮った。
クラスの人ひとりひとりと握手してくれた。
あまりに短くて、何もできなかった1年。
後悔して、悲しむ間もなく、3年生。
先生と離れて、半年位経って、ショッピングモールで見かけた。声かける勇気もなくて、ただ見てるだけだった。
それから更に1年。
私の地元の海で再会した。
もう、泣かずに話せた。笑えていた。
先生も、笑ってくれていた。
家に帰ってから、少し連絡をとった。
気づいたら、メッセージ欄には、
『先生、好きでした。ありがとう。』
と打っていた。
私は、苦笑して文字を消した。
それから、小さく、
「ありがとう。好きでした。」
そう、呟いた。
後輩ができる=先輩になる!
そんな単純な気持ちで、くるくると回りながら歩く通学路。
去年の今頃は、ガッチガチに緊張して、憧れのJKデビューなんて考えていられなかったのに。
「ふんふふーん♪」
鼻歌を歌う私は、小野寺 凛(おのでら りん)
教室に入るなり、昨日初めて話した人にも挨拶する。
仲良しの莉乃と話をしていたら、担任の先生が来た。
名前は佐伯 俊(さえき しゅん)、25歳。国語科担当。
新任の先生で、背が高い。180位だった気がする。
どことなく軽めのイメージがある。
とまぁ、色々観察してたけど、悪い人じゃなかった。
授業は結構楽しいし、生徒に人気がある。
「りんりーん」
なんて呼んだりする。ノリ良すぎる。
まぁ、嫌いではない。
そんなこんなで、あっつー間に修学旅行。
5日間、莉乃やその他いろんな友達と満喫した。
でも、私がテーマパーク内で莉乃達とはぐれた。
その時、真っ先に見つけてくれたのは、佐伯先生だった。
そのあとから、バスに乗っても、家に帰っても、なんだかソワソワして、落ち着かない。
すぐに理由は分かった。
先生に恋をした。
きっかけが馬鹿みたいに単純で、でもだんだん好きになって……。
放課後、帰り支度が遅い私と玄関まで話しながら歩いてくれたり。
目が合うと笑ってくれたり。
それだけでドキドキして。
他の子とニコニコ話してると、何か嫌で。
これが
『好き』
ってことなんだろうなって、思った。
毎日すごく幸せというか、楽しくて、相手の立場なんか忘れてた。
突然だった。
教師には「転勤」がある。
佐伯先生は転勤することになった。
クラスの皆が泣いた。私は誰よりも。
皆で花束を渡したり、写真をたくさん撮った。
クラスの人ひとりひとりと握手してくれた。
あまりに短くて、何もできなかった1年。
後悔して、悲しむ間もなく、3年生。
先生と離れて、半年位経って、ショッピングモールで見かけた。声かける勇気もなくて、ただ見てるだけだった。
それから更に1年。
私の地元の海で再会した。
もう、泣かずに話せた。笑えていた。
先生も、笑ってくれていた。
家に帰ってから、少し連絡をとった。
気づいたら、メッセージ欄には、
『先生、好きでした。ありがとう。』
と打っていた。
私は、苦笑して文字を消した。
それから、小さく、
「ありがとう。好きでした。」
そう、呟いた。
