遂に時間がきた。

花火が打ち上がって周りから歓声があがる。

そこで私は奏を呼んで告白することにした。

「ねぇ」

「ん?なに?」

「あのさ……」

「うん」

「…………好き…」

「え?」

奏は笑ったまま、そう聞いてきた。

私は、途端に恥ずかしくなって、悲しくなって、その場で泣き出してしまった。

奏は本当に聞こえなかっただけなのかもしれないけど、奏は優しいから。

だから、きっと、私を傷つけないように言ってくれたんだよね…

私は、親友の肩に顔を埋めて泣いた。

花火なんて見れなかった。

花火大会の20分間私はほとんど泣いていた。

唯一、一番最後の大きな花火だけを見ることができた。

とても大きな綺麗な花が夜空に咲く。

だけど、それは一瞬で、すぐに花は散って消えてしまった。

恋みたい……

その場でそんな事を考えていたのは、私だけだろうな…