その次の日、俺は第1体育館に向かおうとしていると屋上に2人の女子を見かけた。





さぼりかな?




そう考えながら、急いで体育館へ向かった。




少し長めの新任式が終わり、校長先生に保健室を案内された。





俺は、校長先生の後をついて行った。






「改めまして、今日からよろしくお願いします。」






「こちらこそよろしくお願いします。」





「ちなみに、その子の個人情報みたいなものってありますか?」






「はい。これです。」






彼女の情報が書いてある紙を見ていると、あることに驚きを隠せなかった。







両親が不明であること。






「両親の身元は分からないんですか?」







「はい。彼女は赤ちゃんポストにいた子らしいんですよ。」







「赤ちゃんポスト?」





「それが、事実なのかは分かりません。


本人に聞いても、詳しいことは話してくれませんでした。



親が誰なのか分からない。


だとしたら、可能性として有り得るのは赤ちゃんポストだったんです。」







「そう…だったんですね。」






愛…。





「本人の様子を見たいんですけど…。」






「いいですよ。校内見学という形で案内します。」







「ありがとうございます。」





彼女のいる教室の前へ着くと…





「窓際の、1番後ろに座ってる少女です。」






校長先生の目を向ける方に、俺も目を向けた。





ずっと窓から遠くを眺めていた。





その綺麗な横顔に、思わずこちらも見とれてしまうほどだった。





顔が整っていて、綺麗で高校生とは思えないぐらい大人っぽかった。




どこか、日本人離れしているような感じがした。





でも、どうしてだろう。





どこか寂しそうで、心ここに在らずって感じで、何かに悩んでいる様子に見えた。