Designer Baby

「愛、おっはよー!」



「菜々。おはよう。」





菜々は、相変わらず私に普通に声をかけてくれた。




こんな私でも、長いこと休むとなんだか学校に行くことが気まずく思える。






「愛がいなくて寂しかった。


もう、体調の方は大丈夫?」







「うん。大丈夫だよ。」








「よかったー。本当に心配した。



あ、そうそう。


愛、この前この学校に来た保健医の先生覚えてる?


今、学校中でちょっとした有名人になってるんだよ。」





「有名人?」





「ほら、先生。顔も整っててイケメンじゃない?

だから、もしかしたら俳優だったのかなって噂になってるの。」





「へぇー…。


そうなんだ。」






リュックの中から、教科書を取り出しながら話を聞いてた私は、菜々のその言葉に耳をあまり傾けていなかった。






「へぇーって、それだけ?」






「私は、恋愛感情とかよく分からない。


だから、イケメンとかかっこいいとか誰かをそんな風に思ったこと1度もないんだ。」








「愛は、人をあまり好きじゃないもんね。」







菜々の言う通りだ。






私は、人を好きじゃなければそこまで人に対して感情移入をしたりしない。







その人のテリトリーに、私は踏み込みたくもない。







面倒なことに巻き込まれるのは、もう散々だ。








「そうだよ。」








菜々に、そう返事をした。









「愛のそういうところも好きだけどね。




確かに、そういう冷たいところもあるかもしれないけど愛は優しいところもあるんだから。」







「菜々?



急にどうしたの?」







「何でもない…。




ただ、愛が1カ月休むことなんてなかったから心配で心配で。」








「菜々、ありがとう。



心配かけてごめんね。」