「……あの、琴原くん……」
「うん……」
「私……琴原くんのこと、好き……です」
「………え?」
「春からずっと琴原くんが、好きで好きでたまらなかったの……」
「………………」
「……琴原くんに、好きな人がいるのはわかってるよ?
……でも、想いだけ伝えたかったの。
あと、これ…チョコ。
……じゃあねっ!」
私は、タッと裏庭から駆け出した。
バイバイ、私の恋。
私は、琴原くんのこと好きでしたー……。
「……言い逃れってずるいと思わない?」
「………え、こと…はら…くん?」
「ずりぃんだよ、ほんと。」
「え?琴原くん??」
なにが何だか分からないよ。


