「彩音ちゃん!!ちょっとちょっとっっ!」

いつも穏やかなパートの中島さんがものすごく慌てた様子で声を掛けてきた。

「中島さんっ!?ど…どうしたんですか!?」
「実は副社長からね、コーヒーとサンドイッチの注文があったんだけど…」

「そうなんですか。」

副社長がコーヒーを頼むことは何も不思議なことじゃない。
あまりカフェにはこないけれど、よくこうやってコーヒーの注文が来る。
副社長だけじゃない。社長だったり、お客様のリクエストでドリンク注文が来ることは度々ある。

あれ?中島さん…2年くらい働いてるけどこういうケース初めてだっけ??

「注文よくありますけど…中島さん注文の電話取ったことなかったでしたっけ?」

「あるわよ〜〜!違うのよ!!そうじゃないの!」

「え!?中島さん??一体どうしちゃったんですか!?ちょっと落ち着いて…」

「落ち着いていられないわよ〜〜!」

いつもニコニコしていて、穏やかな中島さん。
美人さんで小学生と中学生のママとは思えないくらい若くみえる彼女…

この彼女が血相を抱えて慌てている…
まさか苦情とかなにかあったんじゃないか…

「部屋まで届けて欲しいって!!しかも…彩音ちゃんご指名なの!!」


…はい??


私…


ごしめい…?


ご指名!?!?