「私付き合うとかよく分からないんですよ…それに私のどこを気に入ってくれたんだか…」


背が高くブラウンでゆるくパーマのかかったまとめ髮にはっきりした顔立ちの美人、中島さんに対し…
私は黒髮お団子ヘアの地味子。
目元は二重ではっきりしてるけど鼻ぺちゃだし背も低くて目立ちはしない。
それに加えてどちらかと言えば消極的。

昔から恋愛には疎くて付き合った経験も一度しかない。
大学の頃、同じサークルだった男の子と飲み会で意気投合し付き合うことになったものの、恋愛初心者の私に面白味がなかったようであっさりフラれてしまった。

以来恋愛とは全く縁がない。

興味がないと言ったら嘘になる。
でもこれといったご縁もなくて今に至る。


「何言ってるの？彩音ちゃんまだ25でしょ？」

「そうですけど…」

「これからよ〜！私だって旦那さんと24で出会って大恋愛したのよ。」

「まぁそういうのは副社長に任せればいいんじゃないか？彩音ちゃんは愛嬌があるし、カフェのマスコット的存在じゃん。それにあの副社長に気に入られたんだろう？自信もって！」

中島さん…
店長…