【完】はじまりの一歩


はぁ

雨宿りために入ったトンネルで思わずため息をつく。

雨の中走ったせいで服も靴もビタビタだ。

(これからどうしようかな。)

とりあえずあそこから離れた場所へと思って走ってきたからここがどこかも分からない。

勢いで出てきちゃったから何も持ってきてない。

頼る人もいない。

どうしよう。

・・・すぅだったらみんな必死に探すんだろうな。

フルフル

もうみんなのことなんて忘れるんだ。

僕はひとりでも大丈夫なんだ。

そんな心とは反対に流れてくる涙。

どうして、どうして僕を見てくれないの。

僕だってまだ子どもだ。

お兄ちゃんにはなりきれないよ。

今までの我慢を吐き出すように僕は泣き続けた。