私の家庭の事情を知りながら
一緒にいつも隣にいてくれたのも沙月。


でも、もういない。



家が近かったから夜はよく一緒に居てくれたし夜ご飯もテレビも一緒。


沙月ママもそれを理解してくれて、私が気を使わないように沙月を貸してくれた。


「あれ、牛乳ないや。」


最近買ったような気がしたけど
お母さんが飲んだのかな?


炎天下の中で外に行く気も出ない。


「…夜でいいか。」


沙月がいたらこんな炎天下の下でも
買い物に行ってたんだろうな。


ああ、私はいつまで沙月のことを引きずっているんだろう。