『だれ?!』と聞いてみたら彼女は笑顔で『2年の水谷先輩!』とこたえた。




── 驚いた。



だって、、
私の片思いの相手でもあったから。


沙月は私より何倍も何十倍も可愛くて美人で
スタイルも良くて…、叶わないと思った。


「比菜ちゃん、どうかした?」


突然立ち止まった私を水谷先輩は不思議な顔で覗いてきた。


綺麗な黒髪に綺麗な黒い瞳


微かに香る先輩の優しい香り


「…どうして、私なんかを構ってくれるんですか?」

「愚問だね、」


無邪気な笑顔を見せつけられたら
もう何も言い返せなくなる。