優しい表情で、
私の目を見つめながら聞いてきた。
「沙月と毎年してたんです。
今年の冬に沙月に病気が見つかって助からないと聞いた時は何もかもわからなくて…、」
「…うん。」
私は何も出来なかった。
苦しむ沙月を助けてあげられなかった。
「私はただ苦しむ沙月を見守ることしかできなくてっ…、」
先輩は私の頭を撫でながら優しくギュッと抱きしめてくれた。
「そんなことないよ。俺一度だけお見舞いに行ったんだ、その時嬉しそうに比菜ちゃんのこと話してくれた。」
そんなこと全く知らなかった。
先輩が沙月の病室に来てたことも…