私服の先輩をみるのは初めてで、目が悪いのか眼鏡をかけていた。


「…お久しぶりです。」

「そうだね、夏休み入ってからは会ってなかったからね。これから買い物?」

「はい、牛乳がきれたので。
先輩は ……、花火をするんですか?」


先輩の右手の袋の中にはいくつも花火セットが入っていた。


「…今、従兄妹達が来てて花火したいって強請られてパシられたってわけ。」


ハハッと笑う先輩。
私はこの笑顔が好きだった。


「あ、良かったら比菜ちゃんもどう?」

「…え??」

「もし、大丈夫なら花火一緒にやらない?
ちびっ子ばっかりだから人手が欲しくて。」