lost memory







「あ、」






小さな冷蔵庫の隣にはボロボロの鞄。

赤く、小さめのお気に入りの鞄だったのに。






「半年でこんなにボロボロになるのかね」






落胆しながら手に取り中身を見る。



そこには財布、携帯、手帳。

化粧ポーチも入ってるけど中身は鞄の中で散乱してしまっていて。






「ラッキー、充電器入ってる」






いそいそとコンセントまで足を引きずって充電器を差す。

そして確認したけど充電の無かった携帯を充電器と繋いだ。








「えー…6月て」








携帯の画面には6月20日。



なるほど、だから窓の外の人は半袖だったわけね。

なんか変な感じ。





若干混乱しつつ携帯の操作をしてみるけど。








「…えええ」








バグってる。




メッセージも見れないし、カメラも使えない。

ていうか今更気付いたけど携帯の画面割れてるし。







「こんなに薄く割れてたらわからんよ…」








仕方なく携帯は放置。

新しいの買わなあかん。







「ん?ちょっと待って」







誰に対して言うわけじゃないけど。



今、6月やっけ?

私の誕生日は4月8日。







…今17才やん!

ていうか高2やん!







「あかん、外の空気吸お…」







もうあかん。

頭ぐるぐるする。




今度は窓まで歩いたけどやっぱり変更。

屋上とかで落ち着きたい。







「真美に置き手紙しておこ」







サラサラとメモしておいて点滴と共に病室を後にする。



まだ日も高いので人がちらほら。

屋上の場所もわからないので近くにいた看護師さんに聞いて。







「ふう」







点滴と足を引きずりながら言われた道を歩いていく。


この病院どこの病院なんやろ。

初めてやし全然わからんわ。








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