「え?」
突然聞こえたナンパしてきた人とは違う声。
気か付けば私の視界は街に戻っていて。
心臓がドキドキする。
でも頭痛はなくなった。
「はあ?誰お前」
「俺が誰っていうより、その子誰か知ってるん?」
「ああ?」
男達の間から男の人。
いや、同い年くらい?
明るく、少しウェーブの掛かった髪。
前髪をピンで止めて顔も女の子っぽい。
「その子さ、」
私には聞こえない程度に耳打ちをする。
すると男の手が緩まって、
「…まじかよ」
離された。
代わりに、青い顔。
え?
助かったの?
ていうかこの人誰?
「あの、ありがとうございます…」
「いいよいいよ」
バタバタと男達が逃げるように走っていく。
その背中にほっとしたのはいいんだけど。
「大丈夫?ゆあちゃん」
ニコッと微笑んだ顔。
そして私の名前。
疑問は残るのに。
なんだか、苦手な感じがした。
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