「あれ?開いてる」
テレビを見てしばらくすると玄関から声。
この声はおばさんか。
ひどく久しぶりな気がする。
少しため息を着きながら待っているとリビングまでやってきて。
「はあ?なんであんたおるん?」
一言。
いや、なんでおるって。
ひどっ。
「入院してたから」
「あーそう、で?」
「いや、でって言われても」
ダルそうに買い物袋をテーブルの上に置く。
テレビが見れなくなったけどもういいや。
「あのさ、いきなり帰って来られても困るねんか」
「いきなりって…」
「半年位帰って来んかったやろ?住んでたとこ戻りーや」
「え?」
「え?じゃない、とりあえずあんたに使う金なんてないからな」
記憶がない、なんて言えなかった。
ていうか知らない半年の間にこんなに溝深まってたんや。
変に冷静な自分もいる。
でも苛立ちを隠せない私もいる。
「金ないって、私の親の残してくれたやつは?なんでないの?」
「そんなもんとっくに使ったわ!子供がいちいち口出すなや!」
「どうせパチンコやろが!ていうかさ姪がこんなに怪我して帰ってきてんのになんか言うことないの?!」
「知らんわ!どうせあの金持ちの子となんかあったんやろ!ええから早く出ていき!」
金持ちの子?
誰それ。
「知らんわそんな人、」
「あんたの彼氏やろうが!あーもう頭痛い、出ていかへんのなら部屋に籠っとけ!」
「彼氏?」
「おじさんもあんたがおったらイラつくから音立てるなや!」
今すごくひどいことばかり言われてる気がするけど。
それよりも、
「はいはい」
「なんやその態度は!」
彼氏がいたことにびっくり。
軋む階段を登って自分の部屋へ。
下からまだ怒声が聞こえるけど気にしない。
「とりあえず真美に連絡しよ」
部屋には何故かなにもない。
あるとしてももう着なくなった服しかなくて。
私の記憶にある新しい服はない。
てか布団もないし。
制服も見当たらんし。
えええどうしよ。
「…ああ!」
携帯壊れてるままやった!
最悪!!
とりあえず財布と携帯を握りしめて。
「でかけてくる」
「飯なんて用意せんからな!」
「はいはい」
叔母の冷たい言葉を浴びて外に出る。
景色はすっかり変わって暗くなっていて。
早くショップいこ。
あ、お金どうしよ。
…とりあえず先にショップ!
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