家に着いたのは夕方前。
私の記憶とは違い日が長い。
じんわり暑いのもやっぱり6月だからか。
「あ、鍵閉まってる」
「鍵持ってる?」
「大丈夫大丈夫」
確かこの鉢の下に…あった!
古典的な場所やけどあってよかったー。
「ほな入るね、ありがとう」
「ゆあ、」
「ん?」
「ほんまに連絡しいや」
「わかったよーん、じゃあね」
真美と別れるのは名残惜しいけど。
玄関の扉を開けて中に入る。
手を振りながら扉を閉めた。
「ふう」
古めの一軒家。
壁には所々に穴。
決して私が開けたわけでない。
おばさん夫婦の喧嘩の後。
とりあえずリビングでゆっくりしよ。
んで帰って来はったら説明でええか。
真美が先生に旅行中って言ってくれてよかった、ほんま。
じゃなかったら色々めんどくさいことになるとこやったわ。
でもあの先生もゆるかったなー。
なんでやろ?
「はあーあ」
鞄を漁って手帳を見てみる。
書いてあるのは真美との予定や丸で囲まれたゆ、という文字。
ゆ?
なんやろ、これ。
ペラペラと捲っていると最後の方にはノートとして書き込めるページが。
そこには、
「なに、これ」
助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて
「私の、字」
怖くなって思わず手帳を鞄に突っ込む。
心臓がドキドキして手が震えた。
助けてって書いてあった。
しかも何ページも。
「真美…」
ポツリと呟いた声は届かない。
でも怖くてどうしようもなかった。
「…テレビでも見よっと」
気を紛らわすのはテレビが一番。
完全には紛れないけど緊急処置的なね。
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