lost memory








3日後。






「ほなまた何かあったら来てくださいね」


「はい」


「記憶も焦らずに」


「ありがとうございました」







包帯は外れ、ガーゼや湿布の残った体。

一応マスクをしながらボロボロの赤い鞄を持った。




服は真美が貸してくれて。

私の着てきたであろう服は見ることもなかった。







「退院早く出来てよかったね」


「ほんまそれ、ていうかお金どうしたらいいんやろ?」


「大丈夫大丈夫!気にしたらあかん!」


「えええー」






いやいやいや!

すんごい気にするよ!



と言っても真美は教えてくれず。

どうしたもんか。








結局あの日、真美は病室に帰ってきてくれたけど私は何も言えなかった。



だって真美が明るく振る舞ってきたから。

まるで何も無かったかのように。




色々聞きたかったけど。

なんだか聞けない。








「ゆあ、もしあれやったらあたしん家止まっていいねんで?」


「いいよいいよ!これ以上迷惑かけられへんし」


「じゃあなにかあったら連絡してな!」


「はーい」








親はお見舞いに来ていない。

ていうか私には親がいない。



その代わりに母親の妹夫婦にお世話になっている。

子供も成人して今は私を含めて3人暮らし。






けど、関係は良くない。










「ほな家まで送るね」


「ありがとう」








足は折れてもないけどまだ少し痛いし。


真美には感謝しまくりやね。








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