ある一月の出来事。

「ただいまー」

「えまちゃんお帰り。
届いたわよ、例のアレ。」

「分かった。見てみる。」

慎重に封筒を開ける。

笑茉愛は中に入っている紙を見た。
受かってる訳ない…

笑茉愛は中学受験をした。小学校5年生の頃までは真面目に勉強していたが6年生になってからやってなかったのだから九州最難関になんて合格するはずが無い。言語道断ってやつ。

それなのにやはり合格したかった。秋からは真面目にやったのだ。だから今のところ3校受かってどれも特待取れてるんだけどね。
どこに行こうかな…女子中はなんか面倒くさそうだし、青春謳歌したいし、通える所じゃないとだめかもしれないから、荘苑学園中学校にしようかな。無難かな…

と心の中であれこれ考えていた。やはり不合格だった。当たり前か。200番くらいの人が入れるわけがない。

お母さんは悲しんでいるように見えたが、笑茉愛は全然悲しくなかった。むしろ受からなかった方がよかったのようにも見える。

決めた。荘苑学園にする。