「紀嘉〜!一緒に帰ろう!!」




親友の優子が元気だけど、どこかダルそうな声で呼び掛けてきた。



「うん!お話しながらいこぉよ!」




「良いよー!」





そして私達は校舎を後にした。





私達は小学6年生で、来週にはもう修学旅行がある。

一泊二日の旅行で、日光だ。




「修学旅行楽しみだねぇ!!
夜遅くまで起きて、怖い話するからね!!!寝ないでよ?」



「え〜てか優子のがすぐ寝ちゃうじゃない!」



「あはっ!そうだったっけ?」



「ちゃんと起きててよねー?」



「大丈夫大丈夫。」




そんな話をしていると、すぐに家に着いてしまった。

あたしの家は、
坂を上ったちょうどそこにあって、
坂の下には、車のとおりが全くと言っていい程ない、少し広い道路がある。



学校からの道から、その道路を突っ切って坂があり、上って家に着く、ということだ。





あたしの家から少しだけ奥にいったところが優子の家である。





「じゃぁまた明日〜!」



「じゃぁねぇ!」




そして私は家の中に入った。  





「あら、お帰り〜」



「ただいまぁ。」




あたしは部屋に入って
ランドセルと
黄色い帽子と
手提げを置くと、勢い良く下への階段を突っ走った。



私は一人が苦手で、早くお母さんのところへ行きたかった。