「ここにいれば、多分部員達通るから待ってよ!」
「え、待ってなんか知らないけどバスケ部の時とは違う緊張がある。」

見学当日。
ケンケンに連れられて、昇降口の近くに居た私は、今にも逃げ出したくなるくらい、なぜか緊張していた。

柱になっている壁に隠れていたのに

「あ!カズマくん!こっちこっち!」

ケンケンは誰かを大声で呼んだ。

「この子、今日マネで見学くる子だから!よろしくね!」
「え!あ、よろしくね!」

そう言ってニコッと笑った彼は
笑顔が素敵な人で、初対面の人にこんなに笑える人なんて居たんだな、と感じた。