チュンチュン

「ん・・・」

鳥の鳴き声に目が覚めた



また今日もいつもと同じなのだろう



コンコン ガラッ


「あかりちゃん、起きてる?」


「起きてますよ、おはようございます


今日も野村さんが担当?」


「そうよ〜。何よ今日もって!


担当があたしで嬉しいでしょ?」


この人は何を言ってるんだか・・・


「も〜う!相変わらず冷たいんだから」


かってに拗ねてる野村さんを無視してしまうのは


あたしには感情が全くないからだ


とは言っても生まれた時はちゃんと泣いてたよ



ただ、いつの間にか感情っていう言葉が分からなくなった


自分でもわかってる。もう進行が早いんだ



あたしは生まれた時から心臓に病気を持っていて


ドナーを必要としてるけど今の状態では



ドナーが見つかりそうにもならない


だからあたしはただただ日が過ぎて


自分の命が尽きるのを待っていることしか


できないんだ


病気だと判明した頃にはずっと病院生活で


学校にも行ったことないし友達だって


誰一人できたことない



友達とか興味なんてないしできたとしても


どうせあたしは病気で死ぬんだから仲良く


しても意味がない



そんな気持ちでずっとやり過ごしてきた



でもあたしは変わったんだ



貴方のおかげであたしは変わったの