次の日、待ちに待った旅行の朝。昨日ある程度の準備はしていた。

今は9時、後1時間後に待ち合わせだ。突然玄関のチャイムがなり ドアスコープを覗くと清水課長がいる?

どうして?何で清水課長が来てるの?

ガチャと鍵を空けた。

「おはよう優那。朝忙しい時間にごめんな。上がっていいか?」

「おはようございます。何で私の家に来たんですか?」

「優那と一緒に待ち合わせに行きたいから来た。」

意味がわからない。兎に角まだ用意が出来ていないから 直ぐに出る事は出来ないので、仕方なく 清水課長を部屋に招き入れた。

「私 まだ準備が途中なので、とりあえず上がって下さい。朝ご飯は食べましたか?」

私の準備の途中だったので、ついでながら手間も掛からないので聞いてみる。

「嫌 朝は食べいない。」

「じゃあ、課長のも作りますね。」

「課長じゃない、碧斗…」

「///碧斗、朝ご飯食べます?」

「/ああ、頂くよ。」

急いで パンを焼いて コーヒーをセットする。その間に着替えてメイクをする。

手早く用意をして、パンとコーヒーを碧斗に持って行く。

「優那は完璧女子だな。無駄が全くなく、それでいて気配り上手だ。」

朝からどうした訳か誉めちぎる碧斗に どういう返しをすればいいか困ってしまう。

「どうしたんですか?朝から碧斗おかしい感じがしますが 熱とかあります?」

思わず碧斗のおでこに手を当て 熱があるか測ってしまう。

「///なっ…」

「///あっごめんなさい。」

勝手に触れてしまった額に 手を置いたまま固まる私。

その私をぎゅっと素早く抱き締め 碧斗の腕にすっぽり収まってしまう。

「///警戒心なさ過ぎ…他のやつに こんな風にされんなよ優那…」

「///そんな事されないから大丈夫です。」

「馬鹿か?今日から俺が 優那の横にずっとキープだからわかった?」

決定事項の様に放たれた言葉に 言い返す言葉はなく、命令なのに何故か甘さを含んだ瞳にきゅんとする。

「///わかりました。」

多分赤いだろう顔を見られたくなくて、俯いてた私に

「優那 可愛い…俺やっぱり///」

碧斗が私の顎を持ち上げて ちゅっとキスを唇に甘く落とす。

私の体も心も金縛りにあったみたいに、今の時間が止まってしまったらいいのにと願う。

これって?アレルギーがかなり進行しちゃったんだろうか?思考能力さえも 止めてしまう威力…。

甘い瞳をずっと見たい私と、恥ずかしくて消えてしまいたい私が交差する。

ねぇ この症状の時の処方箋、先生ならわかりますか?私が今思う気持ちさえ、説明がすごく難しいのだから…