「えっ///優那、お前……。」


煌君が驚き過ぎて固まっている。

私は───────

全身にぶわっとアレルギー反応が出て、痒みが半端ない。自分からでも、状況は変わらずで、やっぱりダメだ…。


「優那、お前は頑張っている。だから 急にはやっぱ無理だよ。だけど、よく思いきったな…怖かっただろ?」


腕は絡ませたままだ。


「ごめんね、ブツブツ気持ち悪いでしょ?」


「いや大丈夫だよ。優那、俺が抱き締めても大丈夫か?」


ちょっと躊躇した。だけども、アレルギーが出た状態だと どうなる?試さないと アレルギーの事もわからない。


「うん、煌君、私を抱き締めてくれる?」


「はぁ…だからダメだってば…。優那は可愛いんだから、男を惑わす態度とか、言動はむやみにしたら 堪んない。

俺的にはアウト。押し倒したくなる。だから、気を付けてくれる?」


「うん。よくわからないけど、わかった…」


優しく私を抱き締める煌君…

「あれ?これ以上は 何も起こらないみたいだな。じゃあさ、暫くじっとしてろ…俺の胸の中で…。」


多分私以外の女の子なら有効な 超絶キュンワード。やっぱり碧斗とは違う感情だと、改めて思う…。

私のハイレベルな挑戦は早くも 打ち破れたけれど、煌君は優しい。


「ほら、落ち着いたら行くよ。」


すっと手を繋ぎ 私のスピードで歩く出来る男。だけど、私の心を振るわすのは1人だけ。

「優那が彼女なら、俺も落ち着く事が出来るのにな…。」


煌の呟きは 風に飛ばされ聞こえないのであった…