＊ allergenic ＊

カフェに入り 大分心が落ち着き 回りに目を配る余裕も出来た。

やたらこの席は注目されているのか、皆が見ている気がする。

「碧斗、私何か変ですか？」

と小声で聞いたのだけれど、クスクス笑うだけで返事はくれない。

側で「キャア///」

と黄色い声まで聞こえる始末。

オーダーを取りに来た人に、碧斗はコーヒーを注文し、私はキャラメルラテをニッコリと笑いながら注文した。

ガタガタと色々落として水の入ったコップを倒してしまったのは店の店員さん。

「申し訳ありません。直ぐにお拭きします。」

とすごく慌てるものだから


「あの、大丈夫ですよ。」

と言いながら 落とした伝票を拾い渡すと 顔を真っ赤にしながら お礼を言われる。

別の人が布巾を持って来てテーブルを拭いてくれ、その場は収まった。

「優那 水で濡れなかったのか？」

「はい、手だけなので大丈夫です。」

「それにしても、あの店員 優那見て挙どり過ぎだろ？ハハ…」

？？？


「まぁ仕方ないか…。本人は全く自覚なしだしな…」


クスクス笑う碧斗に訳がわからない。


お茶が無事に運ばれ、休憩をした後店を出ようとした。


「あの、すみませんお客様///」


「はい？」

あっ、さっきの人だ… 。

「先程は失礼致しました。これはお詫びのサービスチケットになっております。」

と私にチケットを渡そうとする男の人。


「あの？」

「優那行くぞ…」

と不機嫌そうに碧斗に声を掛けられ、チケットを渡され 貰うしかなかった。

「またのお越しをお待ちしております。ありがとうございました。」


と声が聞こえるけれど、強引に碧斗に腕を引かれて連れて行かれる私は その人に返事する事すら無理だった…