昼休みになり 部の課長以外の人とランチに出掛けた。

しっかり予約をしていたのは天海さんで、本当にきめ細かい手配を 仕事に置いても抜かりなく見習いたい人だ。

「ねぇ優那ちゃん あなたは もう男の人が大丈夫になったの?」


ズバリ聞かれ、困ってしまう。


「この会社に 入った当初よりは少しは大丈夫になったと思います。部の人達の皆さん優しいですし男性が苦手は苦手ですが 前程構えないでいる自分がいます。」

「優那ちゃんそんな事言っても大丈夫なの?男を知らないのはね 怖いわよ…。」

二人の会話を聞いていた、中嶋、神谷は素知らぬ顔で 腹の中では別の人格が…。


「心配だわ。困った時は絶対課長を頼るのよ。」


小さな声で囁く天海さんに、コクンと小さく頷いた。

「優那ちゃん、今日は帰りに この前雑誌に載ってたパン屋さんに行こうか?」

「今日はね ちょっと用事があるから 早く帰りたいんだ。ごめんね理人君…。」

「そっか残念。一緒に帰るのはいい?」

「うん、それは大丈夫だよ?」

二人のやり取りを じっと聞いていた菜月は

「優那ちゃん、週末私の部屋でお泊まり会しない?」

と誘われたけれど、これもお断りした。

「菜月さん、週末は予定が出来てしまって 都合が悪いんです。ごめんなさい。」

と、はっきりと断る事ができた。

「そう?優那ちゃんと もっと仲良くなりたかったなぁ…」

菜月さんはすごく残念そうだけど、流されない様に頑張らないと…。

ランチは美味しいと評判のお店だと聞いていたのに、私はそれどころじゃない心境で、余り味がわからずにいた。