外出先の仕事が無事に終わり、今は帰社途中であり、定時も過ぎている。


「今日、社内で神谷と話していたのは、新商品の虹ロールの事か?」

「はいそうです。今日神谷君と一緒に試食会に行こうと思ってます。初めての商品化とか、テンション上がりますね。」

「中々やる気があっていい。だが神谷と一緒というのが気に入らない。」


また そういう事を言う…
碧斗は、大人の姿をした子供だ。駄々を捏ねるとか、可愛いけどダメ。ちゃんと、線引きをしとかないと。


「私は純粋にこの会社の社員として 試食をしに行きたいんです。それを私情を挟むのはやめて下さい。」

「そうだな、すまない。俺変だよな///」


はい、かなり。
どうしちゃったのかな?


「俺、今日はこのまま直帰するよ。ちょっと考え事したいから…じゃあ、お疲れ優那。」

「わかりました。碧斗、お疲れ様です。」

車で途中の最寄り駅まで送ってもらい、碧斗とは別れた。

ちょっとしょんぼりとした碧斗の背中を見ていた。課長が自信ない姿とか見たくない。

仕事が出来る男は、いつもその姿勢をキープして、みんなの目指す憧れの人でいて欲しい。私は、見た目だけじゃない碧斗が好きなんだから…。

私は一人で会社に向かうため 駅の改札を通り、電車に乗り込んだ。理人君が待っている社内に向かう為に。