コンコン。ドアをノックされる。

課長との約束で、誰も部屋に入れられないから、困る。そっか、私が廊下に出ればいいんだ。

カチャと扉を開けると 理人君がいた。

「優那ちゃん、ちょっと話をしようよ。」

「うん、でも部屋ではちょっとダメかな?」

「じゃあさ、向こうにラウンジがあるから、お茶でも飲まない?」

ラウンジ?すごい…この別荘は何でもあるんだ。

「///わぁ、素敵…」

行った事はないけれど、TVとかで見る大人の雰囲気のバーカウンターがある。

照明は暗く、それが更に雰囲気を出している。まるで高級ラウンジのよう。

「俺 取り敢えず何でも作れるから、優那ちゃん何でも言って?」

「理人君、お酒も作る事出来るの?」

「お嬢様何なりとお申し付け下さいませ。」

「///ウフフ、バーテンさん私お酒弱いから 軽いお酒でジュースみたいなのお願いします。」

クスリと笑う理人君。

「はい。こちらは飲み易い 女子に人気のお酒カシオレです。どうぞ。」

「ありがとう。頂くね。」

コクンと一口飲んだ。

「理人君。スゴく美味しいよ。私初めて飲んだカクテル。」

「フフ///優那ちゃんは飲んでても可愛いね。直ぐに顔も赤くなってるし…ヤバいっ」

あ~何か気分がいい…体がフワフワしてきた…

「理人君、私眠くなって来ちゃった。どうしょう?頭がトロンとして 考えるのが無理…」

カウンターに沈んだ優那を、理人が見つめている。

「優那ちゃん弱過ぎて困る。今日は最大のチャンスであり、ピンチでもある。俺どうする?」

非常に悩む理人…
だけど、今日手を出せば あからさまに皆にバレる。

理人は 仕方なしにお姫様抱っこをして 優那の部屋に運ぶ。ベッドにそっと下ろし 布団の中に優那を入れ、頬にキスをする。

「優那ちゃんは寝ていても 俺を惑わすんだね。天然最強だ…でも可愛い。」

もう一度 唇にキスをそっと落とす。次キスをする時は 意識がある時に…と残念であり 理性が保てている自分に拍手したいくらい褒めてあげたいと思った。