下の客間に向かうと 皆はそれぞれ忙しそうに バーベキューの用意を運んでいる。

「清水さんはこちらを、深町さんはこちらを運んで頂けませんか?」

じいやの指示に従い 着実に用意が進行しつつある。材料は既にカットされ、運んだら 直ぐにでもバーベキューは 始めれそうだ。

「優那ちゃん、これ重いだろ?ほら貸せよ。」

理人君が私から鉄板を奪う。確かに重かったけど 私はそんなに柔でもない。

「ありがとう理人君。だけど私結構力持ちなんだよ。だから女の子扱いはしないで…。」

「へぇ優那ちゃん、見掛け通りじゃないんだ。ギャップ萌え///。ってか これ以上やめて欲しいんだけど?」

は?何をやめるんだろうか?

理人君は何でか知らないけど、顔が赤い。

「///理人君、もう飲んじゃったの?隠れて飲んだら駄目だよ。」

「これだよ…。はぁ~///」

「もう、そろそろ焼き始めていいのかな?」

「優那ちゃん後でさ、俺話があるんだ。バーベキュー終わったら、俺の部屋に来て欲しいな。」

「話?わかった。バーベキュー終わったらね。」

「約束だよ…」

「何、何の話?」

中嶋さんが お肉を大量に運んで来て、焼き出してくれる。

「どっちが沢山食べれるか?だよ…。」

「優那ちゃん。ちょっと…」

「結城さん?」

中嶋さんが耳元で囁く。

「ねぇ優那ちゃんコスプレ後で俺の部屋でさしようか?来てくれるよね?じゃないと…みんなに この前の写真送っちゃおかな?クスッ。」

「///えっ、嘘?」

「可愛い過ぎっ///その顔ヤバっ。キスしていい?」

「いいわけないだろ?」

グイッと引っ張られ 清水課長の胸の中に?

ドク。今ものすごく大きな音がなって びっくりした。

「優那…。駄目だからな。バーベキュー終わったら 誰の部屋にも行くな。わかった?」

催眠術にでも掛かったかの様に コクンと頷き 恥ずかしくて課長の胸に顔を埋めた。

もう、死んじゃう前って こんな感じかな?

呼吸の仕方すら忘れそうな私が ただバカみたいに 清水課長の胸の音を聞いていた。

周りの声や音が 全く聞こえない。二人だけの世界にいるようだった…