「えっと、神谷君だけじゃなく、他の皆さんの部屋も気になるから 全部見て回るつもりですけど、ダメですか?」

「ふぅ~。俺ここに優那と来た事を 既に後悔してんだけど?」

まだ、着いたばかりなのに何故?

「///私が神谷君の車に乗ったから?」

「違う…」

「///私の隣の部屋、前の部屋が碧斗の部屋じゃないから?」

「それも違う…」

「///碧斗より先に私が碧斗の部屋を訪ねなかったから?」

「全然違う…」

「///わかんないよ…」

「だから困るんだよ…優那危なっか過ぎる。危機感全くないし、俺 胃が痛い…。」

「え、大丈夫ですか?部屋で休まなくていいですか?」

「休める訳ないだろ?この状況で…誰が易々と優那を 虎視眈々と狙う獣の中に渡せる訳がないだろう…それなのにお前、自ら向かおうとするとか バカか?」

課長はかなり苛ついていて 私に訳のわからない事を言う。

獣なんか別荘の中にいるわけないのに何で?

「///その獣がいるかどうかわからないですが、もし現れたら 碧斗が私を守ってくれるんでしょ?だから、私は大丈夫です。」

ニコリと笑い、碧斗の部屋に足を踏み入れた。

と同時に扉が締まり、扉と碧斗の腕に私は挟まれている。

「何 わざと?違うの?そんなに俺を煽って どうするつもり?」

妖艶に笑う課長、私に逃げ場はない…

ほら簡単に唇を盗まれ トロリと溶けて甘い湖の中に 落ちて行くだけだった…